檀家で読経をすませたが、毎月決まりの布施を主人が出し忘れる。諦めきれない僧は再三小戻りして、説法に事寄せて暗に催促したそのあげく・・・。
尼僧・若市が花を携えて里帰りするのを住持が見とがめ侮辱するので、腹を立てた若市は仲間の尼たちを語らって、長道具で住持に逆襲する。
座頭の伯養は主人の言いつけで、ある邸に琵琶を借りに行くが、同じく琵琶を借りに来た匂当と出くわし、先着争いになる。歌を詠み相撲を取って勝負をつけるが・・・。
新参者と相撲を取り、鼻をつかまれて失神した大名は、土器(かわらけ)で鼻をおおい再び挑戦するが。
妻には、持仏堂に篭り坐禅すると偽り、太郎冠者を身代わりに仕立てた後、愛人・花子との逢瀬を楽しんだ男。朝帰りして、坐禅衾の中に妻が入れ替わっているとも知らず、一夜の様子を話しだす。
使いに出る前に酒をふるまわれる癖のついた太郎冠者が、泥酔して道に寝込んでいるのを見て、主人は鬼の面をかぶせておく。目覚めた太郎冠者は自分が鬼になったと思い込み・・・。
一つの袴を二つに裂き、それぞれ前に当てて舅に挨拶する聟と親。祝言の小舞を所望されて、ついに後姿を見られてしまう。
聟入りに際し、作法を知らない聟は、いたずらな知人が教えるままに、素襖の上を足にはき、後ろを狩猟の敷物・引敷で隠して出かける。
松尾の末社・瓢の神に力づけられた鉢叩きの太郎は、大勢の仲間と念仏を唱え、空也上人の教えに救われる。
食いつめた博奕打ちが、友人の入れ知恵で、上野に降臨した仁王に化けて、参詣人から供物をまきあげる。