狂言とは

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狂言とは

狂言は室町時代に成立した伝統芸能で、室町時代の人たちが日常話していた言葉で演じられるせりふ劇です。
「能」と同じく「猿楽(さるがく)」から発展したものですが、貴族や歴史上の人物を演じる悲劇的要素の強い演目の多い能と異なり、明るいキャラクターの登場人物(太郎冠者など)が演じる笑いの芸能となります。
日本の伝統芸能に触れる入り口としても好まれ、近年では外国人の方や若い方が公演を見ることも増えており、英語で狂言が演じられる機会も増えてきました。

狂言の流儀

現存する流儀は、大蔵流と和泉流の二つの流儀です。
明治後期までは鷺流も合わせ三流が数えられましたが、鷺流宗家が絶えてしまったため、二流となりました。
なお鷺流は、郷土芸能として山口市と佐渡市に伝承されています。

それぞれの流儀には宗家の他に「職分家」といわれる家があります。

狂言の世界に名取制度はなく、職分であっても全員が「和泉」や「大蔵」と名乗ることはありません。
三宅藤九郎家は和泉流の職分筆頭の家柄ですが、苗字は「三宅」です。
公演活動は各家単位で行われていることが多いため、出演者の名前からは何流の狂言か分かりづらい事もあるようです。

和泉流 和泉流宗家、三宅藤九郎家、野村又三郎家、野村万蔵家、狂言共同社など
大蔵流 大蔵流宗家、茂山家、善竹家、山本東次郎家など

能と狂言の違い

能、狂言ともに「猿楽(さるがく)」から発展したものです。
能は歴史上の有名な武将などを主役とする悲劇的で象徴的な内容であるのに対し、狂言は一般庶民の日常生活を題材とする滑稽で写実劇な内容となります。
このため能はお面を付けることが多く「~にて候」という文語調で演じられるのに対し、狂言は「~でござる」という室町時代の日常語(室町口語)で演じられます。

狂言と能の生い立ち

狂言と能の生い立ち

狂言と能の違い

狂言 能
内容 喜劇 悲劇
上演時間 20~30分 / 曲 1時間~1.5時間 / 曲
登場人物 2~3人 10~20人以上
ことば ~でござる (口語調) ~でそうろう (文語調)
特別な役だけ着用 (表情豊か) シテは必ず着用 (無表情っぽい)