お経も知らない見習い僧が、頼まれて法事に出かけ、魚の名を並べた生臭説法を始める。
山へ働きに行けと、妻に棒や鎌でおどされた夫が、無念さに鎌で切腹しようとするが、どうにも死にきれない・・・。
うぐいすを寵愛する稚児のために、野へ出て野鳥でも刺そうとする家人が、持ち主のあるうぐいすを欲しさに太刀も刀も取られてしまう。
盲目の夫は、川上の地蔵に参篭した甲斐あって目があくが、地蔵のお告げは「連れ添う妻は悪縁ゆえ離縁せよ」と条件をつける。しかし二人は別れられず、夫は再び盲目に。
法皇の使う牛を盗んだ男が、わが子の訴えで捕えられるが、その子の才覚で放免される。
妻が市で商う酒屋へ飲みに来て、商売の邪魔をする夫。妻は腹をたて、大酒を飲ませて報復する。
塩飽の藤造という男が、茶屋の女を相手に「うるさし」についての語源争い。和泉流宗家の専有曲。
主人に無断で都見物をしてきた太郎冠者が、祇園の花見の様子を身ぶりおもしろく主人に話して聞かせる。