「角水」の課題にこたえて上手に歌を詠んだ者を聟に迎えようという掲示を見た、三人の男たちは・・・。
離婚を迫る妻の先回りをして石神になりすました男が、神楽を舞う妻に、正体を見破られる。
玉津島明神の絵馬から抜け出した六歌仙が題詠をはじめるうちに、小野小町をめぐって人丸と僧正が争う。夜明け鳥の声に、もとの絵馬に戻る。
宇治明神へ出店を出して茶を商う夫婦者。しかし、慣れない商売に、客もつかず、店をたたんで都へ帰る。
大和の百姓と津の国の百姓が、年貢を納めるために上京。大和柿と勝栗を領主の蔵に納め、めでたい歌を詠む。
結婚後10日も衣をかぶって顔を見せず、ものも言わない新妻に、仲人から歌を詠めば打ち解けられると教えられて・・・。
御殿で見そめた美しい上臈のおもかげが忘れられぬ絵師、金岡の狂乱。妻は嫉妬に怒り、自分の顔を恋しい人の顔に似せて彩色せよと迫るが・・・。
お経も知らない見習い僧が、頼まれて法事に出かけ、魚の名を並べた生臭説法を始める。
山へ働きに行けと、妻に棒や鎌でおどされた夫が、無念さに鎌で切腹しようとするが、どうにも死にきれない・・・。
うぐいすを寵愛する稚児のために、野へ出て野鳥でも刺そうとする家人が、持ち主のあるうぐいすを欲しさに太刀も刀も取られてしまう。