鈴鹿山に住む山賊、鬼丸が、観音の化身である旅の僧にさとされて改心し、仏道に帰依する。
主人の留守に夜回りに出た臆病者の太郎冠者。人影を見て「杭か人か」と尋ねる。
盛夏、清水へ涼みに行く主従が、滝の水を汲むことから、水を「お冷し」といういわれについて争う。
庭に不気味なキノコが生えてきたので、山伏に頼んで退治してもらおうとするが、山伏が祈れば祈るほど、キノコは増えるばかり・・・。
舅からの引き出物がないのに腹を立てた聟が離縁しようとすると、妻は刀一振りと銭百貫の目録を見せて、もとのさやにおさまる。
酒ぐせの悪い客を適当にあしらい帰すために、主人は太郎冠者に、自分の言うようにしろと命じると、太郎冠者は主人の真似をして・・・。
太郎冠者は、足にあかぎれがきれているのを口実に、主人に背負われて川を渡りかけるが・・・。
出される物はすべて懐中に入れよと、いたずらな知人に教えられた聟が、引き出物の弓を左右の袖に通し、不自然な姿で祝言の舞を舞う。
何事も舅の口真似をしていればよいと教えられた、愚鈍な聟の失敗談。
生田八幡の遷宮に参詣する二人の身体障害者が、お互いの欠点を歌に詠みこんで暴露しあう。