茶の水を汲んで来いと言いつけられた太郎冠者は、清水に鬼が出たと偽る。いぶかった主人が清水へ行くと、太郎冠者が鬼の面をつけて現れる。
大津松本の市に現れたすっぱは、田舎者の持っている長光の太刀を自分のものだと言い張るが、代官の機転で見破られてしまう。
鯉の調達ができなかった甥は、伯父に嘘の言い訳をする。見抜いた伯父は、鱸を食べさせてやろうといって、話だけの馳走をする。
太郎冠者か鞍馬の多聞天からさずかった福ありの実(梨)を、主人は拍子にかかって受け取ろうとする。
津の国のはじかみ(しょうが)売りと和泉の国の酢売りが道連れになり、それぞれの系図自慢。はじかみの「カラ」と酢の「ス」を織りこんだ洒落の応酬を繰り広げる。
丹波から届いた栗を、主人の言いつけで焼き上げた太郎冠者は、試食のつもりが全部食べつくしてしまう。その言い訳は・・・。
閻魔大王は六道の辻で鷹匠の政頼に出会い、鬼たちを使って鷹狩りをさせ、獲物の雉子を食い、政頼を三年間娑婆へ帰してやる。
早暁、一番鶏が歌ったら起こせと主人から言いつけられていた太郎冠者。油断して寝過ごした苦しまぎれの言い訳に、鶏は「鳴く」もので「歌う」ものではないと言い張り、古歌を引き合いに主人と論争。
元料理人のにわか出家と、元出家のにわか料理人が、同じ家に召抱えられ、互いの本職を教え合う。
鎌倉の膏薬練と上方の膏薬練が道で出会い、互いの系図を争い、吸出し膏の効力を競い合う。都の公家政権と鎌倉の新興武家政権の対立を風刺している。