大名が弓で雁を狙うところを、通りがかりの男が石つぶてで仕留めてしまう。大名は自分の獲物だと言い張るが・・・。
主人に無断で都見物をしてきた太郎冠者が、祇園の花見の様子を身ぶりおもしろく主人に話して聞かせる。
狐塚の田へ鳥追いに行った太郎冠者が、慰労に来た主人と次郎冠者を狐と思いこみ、しばりあげてしまう。
市場で先着争いをする牛商人と博労(ばくろう)。それぞれの優秀さを主張して、市司の権利を得ようとする。
互いに盲目ながら良き配偶者を求めて、清水の観世音に参篭した座頭と瞽女(ごぜ)が、夢の告げで結ばれる。
奥丹波から都まで、雪の降りしきる中を主命で12頭の牛を追ってゆく太郎冠者。途中、老の坂の峠で一休み、土産に持参の酒樽に手をつけて・・・。
禁野(禁猟区)へ出かけた大名が、見とがめた男に弓矢を取られた上に、身ぐるみはがれ、後悔の念を物語る。
主人の留守に夜回りに出た臆病者の太郎冠者。人影を見て「杭か人か」と尋ねる。
庭に不気味なキノコが生えてきたので、山伏に頼んで退治してもらおうとするが、山伏が祈れば祈るほど、キノコは増えるばかり・・・。
祇園祭の山車に地獄の鬼の責めを出すにあたり、くじを引くと主人は罪人、太郎冠者は鬼という皮肉な役回り。稽古の中で日ごろの鬱憤を晴らす。