斎(食事)の出る檀家と布施(お金)の出る檀家の、どちらへ行こうかと迷ううちに遅刻した出家が、双方からなじられる。
ばくちで食いつめて、にわか坊主となった主従。田舎者から法事を頼まれ、はやり歌をお経めかして唱え、施物をまきあげて逃げ去る。
太郎冠者の家にある「太子の手鉾」とは、雨漏りを防ぐ槍のこと。 その意味は「もりやをとめる」という洒落。
鞍馬へ参詣した主従。利根草の蓼(たで)を食べた主人が太刀を置き忘れ、鈍根草の茗荷を食べた太郎冠者がそれを拾い、鈍根草のいわれを主人に語って聞かせる。
春のひと時、花見をしていた橘の精一族と茄子の精一族が、和歌の争いから乱闘になるが、嵐に見舞われ、あまりの寒さにそれぞれの棲みかに退散する。
檀家で出くわした僧と巫女が、たがいに読経と神楽で競うが、巫女の色香に見ほれた僧は、神楽に興じてしまう。
説教の下手な僧が泣き役の老尼をやとって連れてゆくが、老尼は寝込んでしまって役に立たず、そのくせ報酬だけは要求するので、僧は怒って拒絶する。
算勘にたけた者を聟に求めるという高札を見て、三人の男が次々にやってくるが、500個のサイコロの目の合計はいくつかと尋ねられて・・・。
賀茂神社の御田植行事に、神主は早乙女たちを呼び出して、にぎやかに謡いの掛け合いで、田を植えてゆく。
適当に応答する意の「長刀応答」を取り違えた太郎冠者は、本物の長刀を振り回して花見に来た客を驚かす。