祇園会の囃子物の稽古に便乗して、売り声を上げる煎じ物売り。
元料理人のにわか出家と、元出家のにわか料理人が、同じ家に召抱えられ、互いの本職を教え合う。
淀へ使いを言いつけられた臆病な太郎冠者は、夜道で物影におびえて逃げ帰り、大勢の盗賊に出会って戦ったと得意満面で主人に話すが・・・。
にぎにぎしい祇園会の行列の先頭で大太鼓を背負う、気弱な夫の晴れ姿を見て、妻は誇らしく思う
比叡山三面の大黒天の神前。二人の参詣人が連歌を詠むと、大黒が出現し、それぞれに槌と袋を授ける。
太郎冠者の家にある「太子の手鉾」とは、雨漏りを防ぐ槍のこと。 その意味は「もりやをとめる」という洒落。
檀家で出くわした僧と巫女が、たがいに読経と神楽で競うが、巫女の色香に見ほれた僧は、神楽に興じてしまう。
賀茂神社の御田植行事に、神主は早乙女たちを呼び出して、にぎやかに謡いの掛け合いで、田を植えてゆく。
大和の酒屋と河内の酒屋が、酒器の名と「筒」か「竹筒」かと争っていると、鳩の神が出現し、双方とも同じ意味だと説き、松尾大明神の威徳を語る。
野瀬の郡で、旅僧の回向に現れた野老（山いも）の精が、掘り起こされ村人に食べられた最期の苦患を物語る。
