相撲好きな大名は、新参者相手に相撲を取るが、負けた口惜しさから、相撲の指南書を見ながらふたたび組み合う。
供を連れずに外出した二人の大名が、通りがかりの男に太刀を持たせたばかりにおどされ、身ぐるみはがれた上に、犬・鶏・起き上がり小法師の真似をさせられる。
遊山に出た主従が川を渡ろうと舟を探すが、「ふね」と呼ぶか「ふな」と呼ぶかで、古歌を引いて言い争う。
獲物を逃がした二人の山賊は、喧嘩口論の末、書き置きを残して死のうとするが、妻子のことを思い出して和解する。
主人は、自分の留守に召使が盗み酒をしないようにと、太郎冠者の両腕を棒に、次郎冠者を後ろでに縛って出かけるが、両冠者は奇抜な工夫をめぐらして、またしても酒を飲みはじめる・・・。
日照りが続き、隣り合わせに田を所有する聟と舅は、互いに自分の田へ水を引こうとして争い合う。女房は、夫と父の板ばさみになるが、結局は夫に加勢する。
留守番を頼まれた、耳の遠い太郎冠者と目の不自由な菊市のなぶり合い。
野中の清水へ水汲みに来た新発意は、かねて思いを寄せる門前のいちやが濯ぎ物をしているのを見つけ、小歌に託して恋心を訴える。
六道の辻で罪人を待ち受ける閻魔大王の前に現れた亡者は、昔閻魔の稚児だった八尾地蔵からの手紙を差し出す。見れば、信心深いこの亡者を極楽へ送れとの文面。
丹波の国の山賊が、里帰りの途中の女を襲って持ち物を奪うが、隙を見た女は山賊の長刀を奪って逆襲、持ち物を取り返し身ぐるみをはいでしまう。