尼僧・若市が花を携えて里帰りするのを住持が見とがめ侮辱するので、腹を立てた若市は仲間の尼たちを語らって、長道具で住持に逆襲する。
若狭の国の僧が都へ上り、五条の油小路でにわか雨にあい、かたわらの庵に立ち寄ると、生前傘張り職人だった祐善の亡霊が現れ、下手とそしられ狂い死にした顛末を語る。
聟入りの作法を知らぬ聟は、いたずらな知人の教えるままに、烏帽子を前折りに冠り鶏のトサカに似せ、鶏の鳴きまねや蹴合うまねをする。
道中で出会った神主と山伏が口論を始め、茶屋の仲裁で大黒天を祈って影向(ようごう)したほうを勝者にしようと、互いに祈りくらべをする。
大名に言いつけられて太郎冠者が探して連れて帰った新参の者は、人を馬にする特技があるという。そこで冠者が馬になって大名が乗り手になって試みるが・・・。
不奉公者の武悪を討ち果たせとの主人の厳命を受けた太郎冠者は、友情が先立って武悪を斬ることができず密かに命を助ける。幽霊に化けた武悪は、逆に主人を脅す。
外出する主人は、太郎冠者と次郎冠者に、桶の中に附子という猛毒が入っているから気をつけろと言い置くが、二人がこわごわふたを取ると、中にはうまそうな黒砂糖があった・・・。
相撲好きな大名は、新参者相手に相撲を取るが、負けた口惜しさから、相撲の指南書を見ながらふたたび組み合う。
供を連れずに外出した二人の大名が、通りがかりの男に太刀を持たせたばかりにおどされ、身ぐるみはがれた上に、犬・鶏・起き上がり小法師の真似をさせられる。
遊山に出た主従が川を渡ろうと舟を探すが、「ふね」と呼ぶか「ふな」と呼ぶかで、古歌を引いて言い争う。