木六駄

KIROKUDA

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「木六駄」は、太郎冠者物の大曲です。

季節は、冬。ただご主人の伯父様にお歳暮を届けに行くお話しですから、年末の演目です。
大雪の中を、峠を越えていく太郎冠者の寒さ。まだ外も寒い時期、見所にどれだけの寒さが届くか楽しみです!

この曲の登場人物は4人なのですが、どころとされるのは、太郎冠者が一人で12頭の牛を追って峠を越えていく場面です。狂言の舞台はとてもシンプルです。雪山のセットもなければ、牛も一切出てきません。
その中で演者が一人で道の険しさ、雪山の寒さ、牛の歩みを表現していくわけです。

さあ!牛が何頭見えるでしょう!?どれだけ雪が積もって見えるでしょう!?
演者にとっても、またお客様にとっても挑戦の曲です。
自分の想像力に挑戦です。

とはいえお話の内容は、狂言らしい笑いが盛りだくさんです。
ご主人の使いで、伯父様へのお歳暮にお酒一樽と、木を六駄と炭を六駄、牛につけて運びます。途中の茶屋でお土産のお酒を飲んでしまい、木六駄も茶屋にあげてしまいます。酔っ払って伯父様の家にたどり着くのですが…。

結末は是非舞台で確かめてみてください!