子どもを抱いて夜道を行く女の前に鬼が現れ、妻になって地獄へ来いと口説く。本性を現した鬼は子どもを食べようとする・・・。
鬼に化けて、ケチな酒屋の伯母を脅し、したたか酒を飲んだ甥が、酔いつぶれて正体を見破られる。
聟は、いたずらな知人に教えてくれた通り、謡を謡いながら挨拶を始める・・・。
越後の国、松の山家の男が、都のみやげに鏡を買って帰るが、初めて鏡を見た妻は、女を連れてきたと怒り出す。
元日の用意を命じられた二人の召使、藤六と源六が、主の宿所を忘れて囃子物でたずね歩く。曲中、髷を結う特殊な狂言。
太郎冠者が連れて帰った新参の者が、実は江州坂本の蚊の精だとも知らず、大名は相撲を取り、刺されて失神・・・。
渋柿を甘いといって売りつける柿売りが、逆に試食をさせられて渋っ面をかく。
わが子を地蔵に仕立てて金津の男に売りつけた親が、在所一同、踊り念仏に浮かれる間にわが子を取り戻す。
粟田口が刀の銘とは知らぬ大名が、太郎冠者が連れ帰った粟田口と自称するすっぱに翻弄される。
山の中で、蟹の精に出くわした山伏と強力は、行力の甲斐もなく、耳をはさまれ散々に痛めつけられる。